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マルチプレックスにおける柔軟性:ColorWheel®抗体・色素

フローサイトメトリーは、不均一な集団内の個別の細胞を迅速に分析する手法であり、免疫学、免疫腫瘍学、神経生物学など、多くの研究分野で頻繁に用いられます。さらに、さまざまな蛍光色素や色素を利用すると細胞の複数の特性を評価することができるため、フローサイトメトリーをマルチプレックス化すると非常にダイナミックかつパワフルなツールになります。しかし、マルチプレックスアッセイを設計・拡張するには、研究者はさまざまな課題を克服しなければなりません。私たちのColorWheel®抗体および色素は、これらの課題に対処するように特別に設計されており、性能に関して妥協することなく、マルチプレックスフローサイトメトリーアッセイにシンプルさと柔軟性をもたらします。

フローサイトメトリーにおけるマルチプレックス化とは?

フローサイトメトリーのマルチプレックス化またはマルチカラー化とは、マイクロプレートの1つのウェル内で、蛍光マーカーで標識した複数の抗体により細胞表面および細胞内に存在する異なる抗原を識別できるようにすることです。流体力学的に細胞を単一の流路に集めてレーザー光の中を通過させることにより、各細胞のマルチパラメータデータを収集することができます。各抗体に特定の蛍光色素または色素を結合させることにより、サイトメーターのレーザー光により励起されて放出される色(波長)を用いて目的の細胞集団の識別や特性評価が可能になります1

マルチプレックスフローサイトメトリーパネルの構築において考慮すべき要素

複数の抗原の同時分析が可能になったことにより、さらに複雑な実験や同じ抗原を使った通常の実験(一般にパネルと呼ばれます)を頻繁に行いやすくなりました。フローサイトメトリーでマルチプレックスパネルを構築する場合、研究者は数多くの要素を考慮しなければなりません:

ColorWheel<sup>®</sup>抗体および色素は、フローサイトメトリーのマルチプレックス化に伴うパズルのような装置の設定、抗原発現/色素の輝度、利用可能な抗体と色素の組み合わせなどの異なるピースの課題を上手く組み合わせることにより、難問の解決に役立ちます。
  • 装置の設定:装置で使用できるレーザーの波長は、抗体を標識する蛍光色素または色素と適合していなければならず、これらの蛍光マーカーの検出はさらにフィルターによりコントロールされます。
  • 抗原発現、ターゲット細胞数および色素の輝度:一般的に、数の少ない細胞集団や低い発現パターンの抗原には、高輝度の色素を合わせるのがよいとされます2例外もあるため、有効な結果を得るためには、実験における抗原、細胞集団、色素に対するより深い理解が不可欠です。
  • 利用可能な抗体と色素の組み合わせ目的の抗原に対して、お使いの装置で機能する色素で標識された抗体を、その抗体のフローサイトメトリーでの使用をバリデーションしているベンダーから見つけます。もし、そのような組み合わせが市販されていない場合は、二次抗体を使った間接染色法が使用できます。しかし、この方法では、動物種交差反応性や高いバックグラウンドノイズが生じる可能性があり、最終的に、特にマルチプレックスでは複雑さが増大します。

これらの要素のバランスを取って、新たに実験をマルチプレックス化するのは複雑であり、かなりの時間と手間がかかります。新たな課題に取り組むために既存のパネルを拡張する場合は、この困難な作業にまた別の複雑さが加わります。研究者は、目的の抗原に対して、フローサイトメトリーでの使用がバリデーション済みの抗体の中から、標識色素がその抗原の発現レベルに適しており、装置のレーザーの設定でまだ使用されておらず、そのスペクトルがパネルで使用されている他の抗体を標識している色素と顕著に重複しないものを探し出さなければなりません。 

ColorWheel®抗体・色素を用いたマルチプレックス化

ColorWheel®抗体および色素のシンプルさと柔軟性は、フローサイトメトリーのマルチプレックス化に伴うパズルを解くにあたり、実験における制約を取り除いて、マルチプレックスアッセイのデザインの自由度をより高めます。独自の技術により、すべてのColorWheel®抗体はどのColorWheel®色素とも結合させることができます。すべてのColorWheel®抗体および色素は、フローサイトメトリーでの使用がバリデーション済みであり、抗体を色素で標識する際に便利なように、1:1(容積比)の割合で機能するように最適化されています。わずか3ステップ、作業時間5分で、目的の抗原に対して装置に最適な抗体色素標識抗体のパネルを構築することができます。

それぞれColorWheel<sup>®</sup> AF450、AF488、PEおよびAPC色素で標識されたColorWheel<sup>®</sup> CD44、CD4、CD45RAおよびCD3抗体で染色された相対細胞数。マルチプレックスフローサイトメトリーで同時測定しました。

図1.ColorWheel® CD44、CD4、CD45RAおよびCD3抗体をそれぞれColorWheel® AF450、AF488、PEおよびAPC色素と組み合わせて、マルチプレックス法で同時測定

以下のシナリオを考えてみましょう:

新たなターゲットの追加による既存のマルチプレックスアッセイの拡張

問題:新たなターゲットに対して1種類の色素で標識された抗体しか市販されておらず、既存のアッセイで使用している同じ色素で標識された抗体と置き換える必要がある。

ColorWheel®による解決策:  ミックス&マッチ技術を採用している組み合わせ自由のColorWheel®抗体および色素では、ユーザーはどちらのターゲットを測定するか決める必要がなくなり、すでにアッセイで使っている抗体のColorWheel®色素を装置に適合したまだ使っていない色素に交換するだけで、ターゲットを自由に選ぶことができます。ColorWheel®抗体および色素でパネルを構築することにより、すでにパネルで使用している色素を、いつでも、新しい色素に変更したり、別の抗体に組み換えられるため、マルチプレックスフローサイトメトリーによるスクリーニングアッセイの「将来性が高く」なります。

発現レベルの異なる抗原に対する新たなマルチプレックスアッセイの構築

問題:  発現レベルの異なる抗原に対する抗体に適した輝度の色素を見つけるには、多くの時間と手間がかかる。

ColorWheel®による解決策:ユーザーフレンドリーなColorWheel®製品では、ご希望のターゲットを装置に適合した色素とともに注文することができます。柔軟性の高いColorWheel®抗体および色素では、必要に応じてターゲットと色素を実験室で自由に組み合わせるだけで、適合性による制限をなくすことができます。さらに、ColorWheel®製品は安定性を5年以上に高めたため、装置に適合した色素を常に手元に置くことが可能です。

品質面で妥協しない柔軟性:直接標識抗体との比較

ColorWheel®抗体および色素は、データの質を犠牲にすることなく試薬の柔軟性を高めます。ColorWheel®抗体は、マルチプレックスアッセイにおいて、従来の直接標識一次抗体と同等の性能を示します(図2)。 

ColorWheel<sup>®</sup>色素で標識したColorWheel<sup>®</sup>抗体と従来の直接標識一次抗体で同じターゲットを染色した場合の相対細胞数を示すヒストグラムの比較(AF450、AF488、PEおよびAPC)。マルチプレックスフローサイトメトリーで同時測定。

図2.同じターゲットに対する、ColorWheel®色素で標識したColorWheel®抗体と従来の直接標識一次抗体の比較。マルチプレックス法で同時測定。

さらなる発見のため、いつでもアクセス

ColorWheel®の各製品ラベルに印刷された便利なQRコードをスキャンすると、ColorWheel®デジタルハブにアクセス可能です。サイトでは、ColorWheel®製品に追加された新製品に加えて、技術やアプリケーションなどに関する情報およびリソースを確認できます。

ColorWheel®抗体はお客様のニーズに合わせて設計、テストを行い、Antibody Guaranteeで保証します。

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参考文献

1.
Maciorowski Z, Chattopadhyay PK, Jain P. 2017. Basic Multicolor Flow Cytometry. Current Protocols in Immunology. 117(1): https://doi.org/10.1002/cpim.26
2.
Maecker HT, Frey T, Nomura LE, Trotter J. 2004. Selecting fluorochrome conjugates for maximum sensitivity. Cytometry. 62A(2):169-173. https://doi.org/10.1002/cyto.a.20092
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