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ホーム核磁気共鳴 (NMR)NMRによるポリマー分析

NMRによるポリマー分析

Material Matters, 2006, Vol.1 No.1

NMRによる分子量の計算

ポリマーの研究者が直面している課題の一つに、ポリマーの分子量(高分子鎖の平均長さ)の測定方法があります。膜浸透圧測定、ゲル浸透クロマトグラフィー、粘度分析、および質量分析が一般的に使用される分子量決定法ですが、これらの方法は時間がかかる上に、示される分子量の範囲もあいまいであり、また特別な機器が必要となります。 NMRによる末端基の分析法は、多くの分析ラボでよく使われる機器を使用できる簡便な代替方法です。さらにNMR分析によって、さまざまな共重合体におけるモノマー比も正確に決定できます。

数平均分子量(Mn)が3,000未満のポリマー分子量の決定に、プロトンNMRによる末端基の分析が用いられる場合があり、末端基プロトンの検出感度によって測定できる上限が決定します。この方法を用いるには、次の条件が必要です。

• NMRによって繰り返し部分のモノマーのプロトンと末端基プロトンが識別可能であること
•末端基とモノマー両方のプロトンの正確な積分値が得られること
•モノマーの分子量が既知であること

NMRによってポリマー鎖上のプロトンに対する末端基プロトンの比を決定できれば、簡単な計算によってMn値が得られます。簡単な計算例:

ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート

437441 ポリ(エチレングリコール) ジアクリレート

1)プロトン1個あたりのピーク面積の計算:Locate the end-group proton signals (ca. 5.8, 6.2 & 6.4 ppm) integral per proton = sum of vinyl proton integrals # of protons in the two vinyl end groups (10.00 + 9.66 + 10.17)/6 = 4.97 per proton

2) 反復モノマーユニット数(n)の計算:
Locate the OCH2CH2 proton signals (ca. 3.6, 3.7 & 4.3 ppm)
n = ((sum of CH2 proton integrals)/# of CH2 protons)/{integral per proton value}
((20.79 + 151.87)/4)/4.97= 8.69 repeating units, n;

3) Mnの計算:
Mn = (FW end groups) + (FW repeating unit)(n)
= (55.06 + 71.60) + (44.05)(8.69) =509;
Therefore, the Mn of this polymer is approx. 509

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