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排液中のリン(総量)
サーモリアクターでの分解後のPMB法による光度測定

はじめに

リンは主要な栄養素ですが、高レベルで存在すると環境に悪影響を及ぼすおそれがあります。過剰な場合には、富栄養化と呼ばれる過程で藻類や植物の過剰な成長を引き起こし、これにより海洋生態系を破壊するおそれがあります。1 そのため、排液中のリンの測定は環境維持にとって極めて重要です。このアプリケーションノートでは、クラックセットを用いたサーモリアクターでのサンプル分解後にSpectroquant®リン酸テストキットを用いる、総リン量の光度測定についてご説明します。

実験方法

オルトリン酸イオンは、硫酸溶液中でモリブデン酸イオンと反応してモリブドリン酸を形成します。アスコルビン酸はこれをホスホモリブデンブルー(PMB)まで還元し、これが光度測定されます。この方法はEPA 365.2+3、APHA 4500-P E、およびDIN EN ISO 6878に似ています。

試薬・装置・関連製品

検査キット

この分析には、以下のいずれかのテストキットが必要です:

  • リン酸セルテスト(o-リン酸塩および総リン量)法:光度測定、PMB 0.05 - 5.00 mg/L PO4-P;0.2 - 15.3 mg/L PO43-;0.11 - 11.46 mg/L P2O5 Spectroquant®(1.14543)または
  • リン酸セルテスト(o-リン酸塩および総リン量)法:光度測定、PMB 0.5 - 25.0 mg/L PO4-P;1.5 - 76.7 mg/L PO43-;1.1 - 57.3 mg/L P2O5 Spectroquant®(1.14729)、または
  • リン酸テスト(o-リン酸塩)法:光度測定、PMB 0.0025 - 5.00 mg/L PO4-P;0.0077 - 15.3 mg/L PO43-;0.0057 - 11.46 mg/L P2O5 Spectroquant®(1.14848)
  • 鉛、カドミウム、鉄、銅、ニッケル、リン(総量)および亜鉛25の分解用クラックセット10C Spectroquant®(1.14688)
  • 鉛、カドミウム、鉄、銅、ニッケル、リン(総量)および亜鉛100の分解用クラックセット10 Spectroquant®(1.14687)
  • 水酸化ナトリウム溶液c(NaOH) = 1 mol/L(1 N)Titripur® Reag.Ph Eur、Reag.USP(1.09137)
  • 硫酸c(H2SO4) = 0.5 mol/L(1 N)Titripur® Reag.Ph Eur、Reag.USP(1.09072)

装置

この分析には、以下のいずれかの装置が必要です。

  • Spectroquant® VIS Spectrophotometer Prove 100(173016)
  • Spectroquant® UV/VIS Spectrophotometer Prove 300(173017)
  • Spectroquant® UV/VIS Spectrophotometer Prove 600(173018)
  • Spectroquant® Photometer NOVA 30(1.09748)
  • Spectroquant® Photometer NOVA 60(1.09751)
  • Spectroquant® Photometer NOVA 60A(1.09752)
  • Spectroquant® Colorimeter Move 100(1.73632)

関連製品

  • 角型セル(幅10 mm)(1.14946)および/または
  • 角型セル(幅20 mm)(1.14947)および/または
  • 角型セル(幅50 mm)(1.14944)
  • スクリューキャップ付きエンプティセル(幅16 mm)Spectroquant®(1.14724)
  • pHインジケータストリップpH 0 - 14ユニバーサルインジケータ、にじみなし、pH 0 - 1 - 2 - 3 - 4 - 5 - 6 - 7 - 8 - 9 - 10 - 11 - 12 - 13 - 14 MQuant®(1.09535)

分析的アプローチ

バリアント1:

  • 製品番号1.14543 Spectroquant®リン酸セルテスト
  • 製品番号1.14729 Spectroquant®リン酸セルテスト

バリアント2:

  • 製品番号1.14848 Spectroquant®リン酸テスト
  • 製品番号1.14688 クラックセット10C

バリアント3:

  • 製品番号1.14848 Spectroquant®リン酸テスト
  • 製品番号1.14687 クラックセット10
  • 製品番号1.14724 スクリューキャップ付きエンプティ丸型セル(幅16 mm)

注記

EDTAやシアン化物などの錯化剤を含む汚水は、ペルオキソ二硫酸カリウム(= K2S2O8)で分解する必要があります。分解により、これらの複合体からPO4-Pが遊離されます。COD濃度が300 mg/L~500 mg/Lの場合は、ペルオキソ二硫酸カリウムの量を2倍にしてください。

バリアント1を用いたサンプル調製

  1. 5.0 mLのサンプルを反応セルにピぺッティングします。
  2. 1用量の試薬P-1K(= K2S2O8)を添加し、セルをしっかり閉じてから混合します。
  3. 余熱した120℃のサーモリアクターでセルを30分間加熱します。
  4. 閉じたままのセルを、試験管ラック内で室温になるまで冷まします。冷水で冷やさないでください!
  5. ユニバーサルインジケータストリップで溶液のpHをチェックします。
  6. 水酸化ナトリウム溶液または硫酸でpHを0~10の範囲に調整します。

バリアント2を用いたサンプル調製

  1. 10.0 mLのサンプルを分解セルにピぺッティングします。
  2. 1用量の試薬R-1K(= K2S2O8)を添加し、セルをしっかり閉じてから混合します。
  3. 余熱した120℃のサーモリアクターでセルを30分間加熱します。
  4. 閉じたままのセルを、セルラック内で室温になるまで冷まします。冷水で冷やさないでください!
  5. 冷ましたセルに試薬R-2Kを3滴添加してから混合します。
  6. ユニバーサルインジケータストリップで溶液のpHをチェックします。
  7. 水酸化ナトリウム溶液または硫酸でpHを0~10の範囲に調整します。

バリアント3を用いたサンプル調製

  1. 10.0 mLの前処理済みサンプルをエンプティセルにピぺッティングします。
  2. 試薬R-1を1滴添加してから混合します。
  3. 1用量の試薬R-2(= K2S2O8)を添加し、セルをしっかり閉じてから混合します。
  4. 余熱した120℃のサーモリアクターでセルを30分間加熱します。
  5. 閉じたままのセルを、セルラック内で室温になるまで冷まします。冷水で冷やさないでください!
  6. 冷ましたセルに試薬R-3を3滴添加してから混合します。
  7. ユニバーサルインジケータストリップで溶液のpHをチェックします。
  8. 水酸化ナトリウム溶液または硫酸でpHを0~10の範囲に調整します。

分析

上記のテストキットで測定します。

計算式

リン(総)含有量(単位:mg/L P)=分析結果(単位:mg/L P)

製品

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参考文献

1.
European Environment Agency: Eutrophication.[updated 21 Apr 2016; cited 19 Oct 2021]. Available from: https://www.eea.europa.eu/publications/signals-2000/page014.html
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